7月11日から13日までの3日間、CJCC(Cambodia-Japan Cooperation Center)でTanabata Festivalが開催され、メインイベントである恒例ののど自慢大会では15組16名の日本語学習者による歌が披露され、立ち見も出るほど多くのカンボジア人が訪れた。

七夕とは日本で毎年7月7日に祝われる伝統行事で、短冊という色とりどりの紙に願いごとを書き、笹に飾って星に願いごとをする日として知られています。
発祥は中国の民間伝承「牛郎織女伝説(ぎゅうろうしょくじょでんせつ)」が元となっている。
この物語は、働き者の織姫に神様が同じく働き者の彦星を引き合わせ、二人は恋に落ち、結婚するところから始まります。
二人は深く愛し合ってしまったことで、仕事を疎かにするようになり、それに怒った神様が二人を天の川の両岸に引き離してしまいます。
織姫は彦星に会えなくなってしまったことで泣き続けていると、その涙に心を動かされた神様が7月7日の夜だけは会うことを許し、その日の夜にカササギの群れが翼で橋を作ってくれ、織姫と彦星は会うことができるようになりました。
そしてこの伝説は星座にも結びついており、織姫はこと座のベガ、彦星はわし座のアルタイル、二つの星の間を流れる天の川がミルキーウェイ。実際に夏の夜空にはこの二つの星は天の川をはさんで向かい合いながら明るく輝いています。
この物語の「年に一度だけ会える恋人」というロマンチックなテーマから、近代の日本ではクリスマスやバレンタインデーに次ぐ恋人同士のイベントの一つとして捉えられ、レストランやホテルなどではカップルをターゲットにした七夕限定のディナーコースやイベントなどが企画されています。
しかし本来、この物語の象徴的な意味としては、「勤勉の大切さ」、「節度とバランス」や「忍耐の重要性」などの教えを説いています。
働き者だったからこそ神様は二人を引き合わせたにも関わらず、二人は仕事を怠けるようになってしまったことで引き離されてしまいました。結婚した後も仕事に精を出していれば引き離されることはなかったでしょう。
とはいえ新婚の時期は少しでも長く一緒にいたいものです。かといって仕事を疎かにしてはいけません。恋愛や楽しみも大切ですが、責任ある仕事も同じく大切ですので、節度とバランスに気をつけなければなりません。
引き離された後はどれだけ会いたくても1年間我慢して待たなければなりません。人生にはすぐに結果や効果が出ないことの方が多く、忍耐力も重要です。途中で諦めてしまっては逃げ癖がついてしまい、次にまた辛いことがあると一度目よりも二度目の方が簡単に諦めるようになってしまいます。

今では日本でもこういった教えよりもイベントとして形骸化してしまっているが、今回のTanabata Festivalのように単なるイベントで終わらせずに、イベントを通して日本の日本語や日本の文化に触れることで、日本に対する興味や理解を深めてもらおうという取り組みはとても有意義であり、日本のことが好きで日本語を学ぼうとするカンボジア人がこんなにも多くいるのかと嬉しく思うと同時に日本人として恥ずかしくない言動を心がけようと襟を正すきっかけになった。