//ERSシステムが示す酪農業の新たな可能性〜カンボジア空港省視察その2〜

ERSシステムが示す酪農業の新たな可能性〜カンボジア空港省視察その2〜

山口県の酪農家、ベルちゃんたちのおうち株式会社は、乳牛の糞尿処理において、JET社のERSシステム5U型(処理能力:25t/日)を導入した。このシステムでは、処理後に生成される資源を堆肥として再利用し、地域循環型社会の実現を目指す新たな取り組みとして注目を集めている。今後、この取り組みは、持続可能な酪農のモデルケースとなることが期待されている。

 JET社のERSシステムは、その多用途性が大きな特長だ。酪農業での利用にとどまらず、食品加工残渣やグリストラップ汚泥、さらに病院から発生する感染性医療廃棄物も処理できる。この柔軟性により、多様な分野での導入が可能だ。

 従来のバイオマス発電設備には、大型で高価であることや、バイオマス資源が地域ごとに分散しているため、小規模分散型の設備となり、結果としてコスト効率が低下するという課題があった。一方、ERSシステムは、世界最小クラスのコンパクトな設計と大手メーカーの約半分以下の導入コストを実現している。さらに、カンボジアのようにバイオマス資源が集中する地域では、収集や運搬にかかるコストも低減できるため、特に効果的かつ効率的なソリューションとなり得る。

 ERSシステムは、実際に海外での導入実績もあり、まさにカンボジアに適した設備といえる。