カンボジアのナショナルフラッグシップキャリア、Air Cambodia(K6)は2025年6月10日、本社にて法律事務所Always Solutions & Associates(ASA)と戦略的パートナーシップ契約を締結した。調印式には、ASAのマネージングディレクターProu Saony氏、Air Cambodiaの副会長兼CEO Zhan David氏、カンボジア民間航空庁(SSCA)大臣兼Air Cambodia会長のMao Havannall閣下が出席した。
今回の提携は、カンボジア航空業界の法務・規制対応力強化と国際競争力向上を目指し、特にAir Cambodiaの海外展開を見据えた中長期成長戦略を支援するものだ。Air Cambodiaは2025年内に香港、バンコク、東京など主要都市への定期便就航を計画しており、エアバスA320型機(最大180席)を使用する。すでに国際的な安全認証「IOSA」を取得し、同国で唯一この認証を持つ航空会社として注目を集めている。
ASAは航空・運輸・インフラ分野に特化した法律事務所で、外国企業との合弁や航空機リース、労務・保険制度の構築など多岐にわたる実績を持つ。提携によりAir Cambodiaは、航空規制対応や運航ライセンス取得、契約審査、労働法対応など法務全般をASAから包括的に支援される。
調印式でCEOのDavid氏は「高度な専門性が必要な航空法務において、ASAとの協業は大きな強みになる。国内外の成長に貢献する」と語った。一方、ASAのProu氏は「航空分野での専門知識を活かし、Air Cambodiaの新規路線展開や新機材導入を支援する絶好の機会だ」と述べた。
また、SSCA大臣のMao Havannall閣下は「航空会社の繁栄には法的手続きの支援体制も不可欠。本提携は法的責任を明確にし、トラブル対応を円滑にする。ASAの存在で経営陣は安心して業務に専念できる」と強調。さらに自身の誕生日を祝うサプライズに感謝を示し、和やかに式典は閉幕した。

この提携によりAir Cambodiaは規制対応やガバナンス体制の強化、運航トラブルや保険、乗客対応のリスク管理向上が期待される。国際線就航に必要な各国規制調整や航空協定理解にもASAの支援が欠かせない。
政府が推進する「空の自由化」と「観光立国」政策に合致し、本提携は航空産業の信頼性向上とブランド強化に寄与する見込みだ。特に外国企業との連携促進や観光客の安心確保に向けた法務整備は、インバウンド戦略の要となる。 将来的には中型機追加導入やオンライン予約システム強化、新マイレージプログラムの展開も検討されており、ASAとの連携が法的基盤となる。航空業界と法務の専門家が協力し、カンボジア航空産業の新たな成長モデル創出に期待が高まっている。