//革新的な風力発電技術〜カンボジア空港省視察その4〜

革新的な風力発電技術〜カンボジア空港省視察その4〜

株式会社リアムウィンドは、九州大学の大屋裕二名誉教授が代表を務めるベンチャー企業で、革新的な風力発電技術「レンズ風車」の設計・製造・販売・保守を専門としている。この技術は、風力エネルギーの効率化と設置場所の制約克服を実現し、再生可能エネルギー市場に新たな可能性を切り開こうとしている。

 レンズ風車とは、風車の羽にディフューザの「輪」を取り付け、空気の流れを増幅し効率化する技術である。集風レンズが渦を発生させ、風車後方に低圧力領域を作り出すことで、風車に引き込まれる風量が増加する。この仕組みにより、従来の同等サイズの風車と比べて2~3倍の発電量を実現できる。また、風車本体の小型化と静音性を両立し、都市部や制限のある場所への設置を可能にしている。

 カンボジア政府は2030年までに再生可能エネルギーのシェアを70%まで引き上げることを目標としている。現在、エネルギー構成は主に水力、太陽光、バイオマスが中心だが、今年5月にフランス系企業がカンボジア初の風力発電所を設置する計画を発表した。この計画は、風力発電がカンボジアのエネルギー政策において新たな柱となる可能性を示しており、注目を集めている。