//日本・カンボジア投資パートナーシップフォーラム、レセプションパーティー〜カンボジア空港省視察その7〜

日本・カンボジア投資パートナーシップフォーラム、レセプションパーティー〜カンボジア空港省視察その7〜

11月25日、東京赤坂の在日本カンボジア大使館で開催された「日本・カンボジア投資パートナーシップフォーラム」は、カンボジアの大臣が直接講演を行う貴重な場として注目を集めた。会場の最大収容人数50名を大幅に上回る86名が参加し、熱気と活気に満ちた雰囲気は、両国間の投資に対する高い関心を物語った。特に、急速に成長するカンボジア市場への投資機会を模索する日本の企業や投資家にとって、このフォーラムは貴重な情報提供の場となった。

 受付では、参加者全員にカンボジアと日本の国旗をデザインしたピンバッジと、カンボジアの伝統的な手織布「クロマー」が贈られた。クロマーを首に巻き、胸にピンバッジを付けて講演を傾聴する姿は、両国間の未来の協力関係を象徴する光景となっていた。

 講演冒頭の挨拶で、カンボジア民間航空庁のMao Havannall大臣は、「日本・カンボジア投資パートナーシップフォーラムに参加できることを大変光栄に思います」と述べ、両国間の協力を支える在仙台カンボジア王国名誉領事館とJATICに深い感謝の意を表した。続いて、大臣は講演を通じて、カンボジアが持つ投資先としての特有の魅力を、熱意を込めて説明。その中核を成す4つの要素として、カンボジアの強みと将来性を次のように示した。

1完全な平和と政治的安定:1998年以降、Hun Sen前首相が推進した「Win-Win政策」により、政治的安定と社会秩序が確立され、投資の基盤が整備されている。
2戦略的な地理的位置と経済統合:タイ、ベトナム、ラオスと国境を接するカンボジアは、ASEAN地域の中心に位置し、広範な市場アクセスを可能にしている。
3豊富な資源と労働力:世界的な文化遺産であるアンコール遺跡群を有し、観光資源として強みを持つとともに、競争力のある若い労働力が経済成長を支えている。
4投資保護と優遇政策:簡素で透明性の高い手続き、税制優遇措置、資産保護の仕組みなどが整備され、海外投資家にとって安心して投資できる環境を提供している。

 講演の最後に大臣は、この後に予定されているレセプションパーティーでProu Sythan閣下とBun Sovann閣下が、具体的な投資機会や政策について詳細に説明するプレゼンテーションを行う予定であることを紹介した。そして、「皆様がカンボジアにおける可能性と機会をより具体的に理解し、それを通じて両国がさらなる成長を遂げることを心から願っています。カンボジアは、皆様の成功を支えるための理想的な環境を整えています」と述べ、スピーチを締めくくった。講演の余韻とともに、会場は力強い拍手に包まれ、参加者たちの高揚感が伝わってくるようであった。  日本経済は近年停滞が続いているものの、その技術力やサービスの質は依然として世界屈指の競争力を誇る。日本の技術やサービスを必要とする国々は多く存在し、それらとの連携を通じて、新たな成長の可能性を探るべき重要な局面にある。カンボジアをはじめとする新興国との協力は、日本企業にとって成長戦略の重要な一環となり、地域全体の安定と発展に寄与する可能性を秘めている。こうした国際連携の取り組みは、日本国内課題の解決にもつながり、停滞脱却の一助ともなり得る。いま、日本はその技術力、サービス力、そして革新力を武器に、国際社会と共に未来を切り拓くべき時期にある。