カンボジアでもYouTubeやTikTokによる収益化が可能となり、2012年からYouTubeの収益化が可能となった日本から遅れること9年の2021年にカンボジアでも収益化が可能となり、今年でまだわずか4年だが、実は日本のトップYouTuberの登録者数に迫る勢いのチャンネル登録者数を誇るYouTubeチャンネルが存在する。

「Rasmey Hang Meas」はテレビ局やラジオ局、制作プロダクションや音楽制作まで行い、カンボジアを代表する多くのアーティストも抱えている総合エンターテイメント企業Rasmey Hang Meas Video Group Productionが運営するYouTubeチャンネルで、登録者数は2025年5月現在で715万人である。
2023年のカンボジアの人口が約1700万人というデータがあり、そこから計算すると人口のやく4割以上の人がチャンネル登録していることになる。当然チャンネル登録者全員がカンボジア人というわけではないと思われるが、日本と同様に話者数の少ない言語を使う国という点を踏まえるとかなり驚異的な数字であることが分かる。
ただ、「Rasmey Hang Meas」に関してはそもそも実力と実績があり、企業としてチームで運営していると予想されるため、これほどのチャンネル登録者数もまだ理解できるが、もっと驚きなのは「CHAN DY」という田舎の親子と思われる二人のチャンネルである。
ショート動画中心のチャンネルで、動画の内容としては息子のちょっとしたトラブルを母親が独自の方法で解決するライフハックチャンネルといった感じで、アップされている動画を見る限り、予算をかけたような動画はほとんどなく、多くのスタッフが関わっている様子もない。しかしその登録者数はなんと驚異の795万人と「Rasmey Hang Meas」以上の登録者数なのだ。さらに驚くことにチャンネルが登録されたのが2024年5月14日となっているのでたったの1年で約800万人が登録するチャンネルへと急成長しているのである。
日本の有名YouTuberと比較すると、チャンネル登録者数717万人の東海オンエア以上、880万人のフィッシャーズ以下くらいの位置付けと考えるとその凄さがお分かりいただけるだろう。
さらに私の印象ではカンボジア人は日本人ほどYouTubeを見ておらず、FacebookやTikTokの方が圧倒的に多い印象があり、実際のそれぞれのSNSの推定ユーザー数はFacebookが約1386万人、TikTokが約996万人、YouTubeが約1000万人となっており、ユーザー数こそYouTubeがTikTokを上回っているが、月間平均利用時間で見ると、Facebookが約20から25時間、TikTokが約34時間、YouTubeが30時間とTikTokがYouTubeやFacebookを上回るのである。
それぞれのサービスの性質が異なるため、一括りに比較することは難しいが、一般的に考えても長尺のYouTubeよりも短尺のTikTokの方が平均利用時間が上回るというのは、カンボジア人がどれだけTikTokを利用しているかが伺え、だからこそたったの1年でチャンネル登録者数約800万人という数字がどれほど驚異的な数字なのかお分かりいただけるだろう。
ここまで急激に登録者数を伸ばせた背景にはどんな秘密があるのか。この親子YouTuberに取材を申し込みたいと思う。