//経済発展と地方経済政策

経済発展と地方経済政策

 日本では高齢化が社会問題となっており、それに伴った介護問題も解決しなければならない課題である。

 日本の大手ニュースサイトに「介護殺人をおこさないために」という記事が掲載された。

 要約すると介護は家族がやるべきことという考えが視野を狭くし、周りを頼ることができずストレスが溜まり、最終的には虐待や殺人に発展してしまうケースが増えているという。

 一方カンボジアはまだ介護問題には直面していない。その背景には日本とは真逆の人口ピラミッドで、30歳未満は9,575,191人と全体のおよそ55%を占めており、さらには家族を大事にする文化も相まって今のところカンボジアにおいて介護問題は当面の間は縁遠いと思われるが、そのカンボジアもいずれはこの問題に直面する時がくるかもしれない。

 カンボジアの経済発展は世界的に見ても高い方だが、現状それは首都プノンペンを始めとした一部の都市に限られている。当然カンボジア全土を等しく経済発展させることなど非効率であり、首都プノンペンがカンボジア全体を牽引する役割を担っているので当然である。

 しかし経済発展が進めば女性の社会進出も増え、加えて子育て費用の上昇や価値観の変化が生まれる。こうして先進国では少子化が進んでいくと同時に高齢化が進んでいく。

 さらに経済発展の過程で地方との収入格差が生じ、仕事を求めて地方からプノンペンに上京してくる人が増えれば、田舎に残された両親や祖父母の面倒を見る人が少なくなってしまう。さらにSNSによって都会のキラキラした生活を目にした若者が都会の生活に憧れて上京する者が増える可能性さえある。そうなれば今以上に地方の過疎化は進み、両親や祖父母の面倒を見る者がいなくなってしまう。

 当然カンボジア政府もこうした状況を改善しようと動いており、そのための地方経済政策は主に6つの施策がある。

1.農業振興政策
2.インフラ整備
3.観光業の促進
4.地方開発と貧困削減
5.経済特区の導入
6.農村金融の強化

カンボジア政府はこれらの政策を通じて地方経済の自立を目指し、都市と地方の格差縮小を図っている。しかし、依然として課題も多く、インフラや教育の充実、地方自治体の能力向上などが今後の焦点となる。
そのため、JATICメディア事業部としても取材活動を通じ、地方の可能性、地方が必要としているものなど地方活性化のきっかけとなるような記事を届けることで、地方への外国投資の誘致の一助となればと考える。