//圧入技術で世界に挑む〜カンボジア空港省視察その5〜

圧入技術で世界に挑む〜カンボジア空港省視察その5〜

株式会社技研製作所は、革新的な「圧入原理」を世界で初めて実用化し、杭打ち工事に革命をもたらした、東証プライム市場に上場する企業である。この圧入原理は、地中に既に打ち込まれた杭を支点とし、静荷重を利用して新たな杭を地中深く圧入する技術である。

 1975年、創業者北村精男氏は、この圧入原理を応用した画期的な機械「サイレントパイラー」を開発。従来工法に比べ、振動や騒音を大幅に低減し、都市部や環境保護が求められる地域での施工に革新をもたらした。以来、技研製作所はこの技術を基盤に、環境負荷の軽減や効率性向上を追求した機械や工法の開発を一貫して進めている。

 技研製作所の敷地内には「RED HILL1967」という展示ホールやミュージアム、実証展示場が設けられている。この施設では、来訪者が技研製作所の技術革新の軌跡をたどり、先進的な技術、製品の優位性、圧入原理を応用した実機の数々を直に体験し、その価値を理解することができる。

 Mao Havannall大臣は、展示されている「サイレントパイラー」の操作を実際に体験し、その直感的な操作性と優れた性能に感銘を受けた。この技術がカンボジアの社会インフラ整備に即座に適応可能であると実感した様子だった。Mao Havannall大臣は、カンボジア国内の河川地域での橋梁建設など具体的な導入案を模索しており、近い将来、この革新技術がカンボジアの社会インフラの発展に重要な役割を果たすことが期待される。